イタリアのママ議員が子連れ出勤を続ける理由

代表 日月真紀子

2017/04/24 14:04


(出典:http://wwptalk.hatenablog.com/entry/2016/01/20/190109

 

みなさんは、子どもを連れたこの女性をご存知ですか?
こちらの女性は、イタリアのリチア・ロンズーリ議員です。2009年から欧州議会に選出された女性議員です。この写真はリチア議員が欧州議会に参加しているときの写真なのですが…なんと娘のヴィットリアちゃんを抱いています。日本ではなかなか見られない光景なので、違和感を覚える方も多いかもしれませんが、リチア議員は、議会に参加する際、いつもヴィットリアちゃんを連れているんです。


子連れ出席に対する世間の反応は

リチア議員のこの子連れ出席に、世間はどのような反応を示したのでしょうか?
子連れ出席がたびたびメディアで取り上げられるようになった当初、世間からは厳しい意見が相次ぎ、物議をかもしました。「議会は子どもを連れてくるような場所じゃない」「不謹慎だ」など厳しく批判する意見も少なくありませんでした。
このような批判的な意見で物議をかもしたことで、この話題に火がつき、国内だけでなくアメリカやアジア諸国でも取り上げられるようになりました。
一方で、リチア議員と同じ立場のワーキングマザーたちからは圧倒的な支持を得るようになりました。世間の反応に負けず、仕事と育児を両立するたくましい象徴的な存在になったのでしょう。

 

子連れ出席をしようと思ったきっかけとは


(出典:https://feely.jp/32273/

そもそも、リチア議員はどういったきっかけで子連れ出席をするようになったのでしょう。
それは案外単純で、雇用と社会問題を扱うセクションで副委員長として活躍されていたリチア議員ですが、「生まれたばかりの子どもを家に残して仕事に行きたくなかったから」なのだそう。これは母親なら誰でも抱く感情ですよね。
イタリアではベビーシッターが少ない、というわけでもなく、むしろ子どもに対して手厚い政策を設けています。それではなぜ、子どもが成長してもなお、子連れ出席を続けたのでしょうか?

 

子連れ出席を続ける理由は「メディアの反応」

子連れ出席を始めた当初、厳しい批判を受け、それが物議をかもしたとき、メディアの取材の数が激増したんだそうです。
イタリアは、子どもをとても大切にする国です。少なくとも小学校卒業までは親は子どもの学校の送り迎えをすることが義務付けられていますし、14歳までの子どもを放置すると刑法で罰せられます。ですから、両親が仕事に行っている間、家で一人でお留守番、なんてこともできません。こういった文化は素晴らしいものですが、働く女性が仕事と育児の板挟みになってしまうこともしばしばあります。これまでそういった状況に置かれた女性に対してメディアは無関心でした。
しかし、リチア議員が子連れ出席を始めたことがきっかけで、国内だけにとどまらず、諸外国でもこの話題が取り上げられたのです。つまり、リチア議員が子連れ出席を続ける理由は働く女性の権利や労働環境について議論するきっかけをつくるためでもあったのです。

日本でも、徐々に働く女性の育児を支援する取り組みを行う企業が増えてきていますが、制度が未だに形式的なものにとどまっており、まだまだ男性社員に理解を得られない、という場合も多いかと思います。リチア議員の事例から、働く女性が育児をしやすい社会になるには、まず「無関心」という状況を変える必要がある、ということが分かりますね。

田畑 結生

子育てしながら管理職をこなすフランスのキャリアウーマン

代表 日月真紀子

2017/01/31 06:00

フランスの女性の就業率は85%です。フランスの女性は「稼ぐ」という意識が明確であり、今のように子育て支援が整う前は、「女性は子供を産むことより、仕事を選ぶ」という現実がありました。そのため、出生率が1994年には戦後最低の1.66に下がりましたが、政府による子育て制度の見直しで、2010年には2.00を超え「子供が産める国・育てられる国」になりました。女性がキャリアを継続することの日本女性とフランス女性の大きな違いは、子育て支援制度ではありません。仕事を決して諦めないという仕事に対しての考え方が大きく影響しています。

どちらも妥協しない!子育てしながらしなやかな働き方を実現する女性たち


就業率が上がっている一方で、子供の数が増えると離職せざるを得ない状況のため、フランスでは少子化が加速していきました。女性が働きながら子供を持つのは大変なことです。キャリアを継続することが当たり前であるフランスでは、母親だけを支援するのではなく、父親支援も整い、さらには社会全体の支援制度も整っています。

フランスの学校では、水曜日の授業が午前中で終わるため、子どもは土日の他に水曜日の午後も家にいることになります。それに合わせて、子育てをする女性のための週4日勤務という働き方が一般的になっています。これは日本でいうパートタイム労働とは違います!

仕事に対する意識が高く、責任がある仕事を任せられるため、週4日勤務で管理職としての勤務を選択することができるのです。

仕事に対するモチベーションが変わらず、キャリアへの意識が高いため、フランスではこのようなしなやかな働き方が世間的にも認められています。女性の仕事に対する意識の高さが、子育てとの両立を可能にしているのでしょう。

子育てを楽しむ「フランス式子育て」



最近日本でも「フランス式子育て」が話題になっていて、それに関する書籍も多数出版されています。フランス式子育てが今日本で話題になっているのは、フランス人と日本人の根本的な子育てに対する考え方が大きく違う、ということが原因としてあげられます。日本女性は仕事と家庭とを天秤にかけますが、フランスの女性は、1人の人間として、仕事が一番重要な核となっており、子育ての経験を、仕事に活かす原動力としてのエネルギーであると捉えています。自分の幸せを追求した時に、子育てがプラスになるという考え方です。

フランス人の母親に「なぜ子どもがほしいと思ったのか」という質問をすると、必ずといっていいほど「子育てが楽しそうだから」と答えるそうです。日本でももちろん子育てを楽しむ女性は多いですし、実際に子育てはとても楽しいものです。しかし日本ではそれと同じくらい「子育ては大変なこと」というイメージが強いですよね。一方でフランスでは「子育てとは楽しいものだ」というイメージが確立されています。そこがフランス人と日本人の子育てに対する考え方の根本的な違いなのではないでしょうか。

フランスには約7割の男性が育児休暇をとったり、無痛分娩が全額保険でまかなわれたりと、制度的にも女性が出産・子育てしやすい環境が整っています。しかし、それ以上に、女性の自立意識がとても高いのです。キャリアを追求して、子育ても楽しみながらこなすという意識が当たり前にあるからこそ、制度がいきてくるのですね。

 

このページの先頭へ