「女性の社会進出が少子化につながる」のウソ ~女性の就業率と合計特殊出生率は相関する~


少子化の原因というと、女性の社会進出が頻繁に取り上げられます。国会答弁でも、少子化の話題となると、必ずより多くの女性が働くようになったから子供が減っているのだ、というようなことが言われます。私自身も、中高の社会科の授業で、そのように習った思い出があります。

しかし、本当に女性の社会進出が少子化の原因になっているのでしょうか。実は、これを否定するデータは存在するのです。

内閣府男女共同参画局の資料にも掲載されている、OECD各国の女性の就業率と合計特殊出生率(その国の女性が一生に産む子供の数)の相関関係を表したグラフがその一つです。確かに、1970年には、女性の就業率が低い国ほど合計特殊出生率が高いことがわかります。つまり、働く女性が少なければ少ないほど、女性が一生のうちに子供を産む数が多いということです。

それが、1985年の結果では、女性の就業率と合計特殊出生率は相関がなくなります。女性の就業率に関係なく、どのOECD諸国も同じくらいの出生率を記録します。

しかし、面白いことに、2000年にはグラフは全く違った様相を見せます。この年代になると、女性の就業率が高ければ高いほど、合計特殊出生率が高くなるのです。例を挙げると(女性の就業率、合計特殊出生率)、アイスランド(約85%、約2.1人)、アメリカ(約70%、約2.1人)、日本(約60%、約1.3%)のようになります。つまり、働く女性が多いほど、女性が一生のうちに産む子供の数が増えるのです。

この変化が起こった原因として、本資料は、各国の女性就業率が上昇する一方、日本やイタリアといった国で出生率が下がり続け、北欧諸国等で出生率が上がったことが原因だとしています。

そして、この女性の就業率と合計特殊出生率の相関関係は、実は日本国内のデータでも証明されています。国土交通白書2015のデータによると、女性の就業率が高い都道府県ほど、合計特殊出生率が高いことがわかります。例えば(女性の就業率、合計特殊出生率)、東京(59.28%、1.09%)、福岡(1.43%、62.39%)、沖縄(1.90%、64.39%)です。

つまり、よく巷で叫ばれている「女性の社会進出が少子化の原因だ」や、「働く女性は子供を産まないので無責任だ」などという意見は、現在では証拠に欠く発言なのです。むしろ、働く女性が多い国、(日本の)都道府県ほど、女性が一生に産む子供の数が多いのですから、女性の社会進出=少子化 の図式は、上記のデータを全く反映していません。ミレニアム以降の現在、日本の少子化は別の事象が原因となっているので、少子化を食い止めようとするならば、その本当の少子化の原因を解決するべきではないでしょうか。そして、働く女性が多いほど出生率が高いのなら、少子化を持ち出して女性を家に留めるのではなく、女性が労働を希望するのなら、率先して外で働いてもらうべきなのではないでしょうか。

無料転職サポートお申し込み

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

カテゴリー:女性のキャリア白書|

▲pagetop

このページの先頭へ