女性役員が多いほど企業ほどパフォーマンスが良い?!

2017/03/17 07:25

■女性役員の数や割合がなぜ重要なのか?


前回のキャリア女性白書の記事では、女性役員が活躍している企業が日本ではどれだけ少ないか、また役員全体に対する女性役員の割合がどれだけ少ないかということをグラフで示しました。

近年ではダイバーシティ推進の枠組みの中で、この少ない女性役員や管理職を増やしていこうという流れがあります。しかし、実際にハイポジションに女性を登用することで、具体的に数字としてどのように企業パフォーマンスに影響するのかということはあまり議論されていないのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、一企業における女性役員の数が、実際にどのように企業のパフォーマンスに影響しているのかを見ていきたいと思います。

■女性役員割合トップ25% vs 女性役員0人~ROEとEBITの比較~

マッキンゼー・アンド・カンパニーの、ヨーロッパ6各国とBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の会社を対象にした調査によると、女性役員割合が高いトップ25%の企業(A)と、女性役員が0人の企業(B)を比較したところ、AがBの41%もROE(Return on equity、自己資本利益率)が高いことが分かりました。

またEBIT(Earnings before interest and taxes、支払金利前税引前利益)に関しては、AがBの56%も高いことが示されました。

出典:McKinsey&Company Women Matter 2010

■女性役員が3人以上いる企業 vs 女性役員0人の企業~フォーチュン500社のROS、ROIC、ROEの比較~

カタリストのフォーチュン500社を対象とした調査でも、女性役員が多い会社のほうが、財政パフォーマンスがよいことがわかっています。

少なくとも4、5年にわたって女性役員が3人以上いる企業(D)と、女性役員0人の企業(E)を比較したところ、ROS(Rate of sales、売上高利益率)ではEの84%、ROIC(Return on invested capital、投下資本利益率)では60%、ROE(Return on equity、自己資本利益率)では46%、Dが高いことがわかったそうです。

出典:Catalystの資料

■女性役員1人以上 vs 女性役員0人~リーマンショック後の株価回復の比較~


クレディ・スイスによる、リーマンショック後の株価値動きを比較したデータによると、女性役員が1人以上いる企業のほうが、時価総額100億ドル以上・以下の企業両方で、女性役員0人の会社よりも、値動きの回復が早いことが分かりました。

引用:クレディ・スイスの資料

■まとめ

上記三つのデータが示すように、女性役員が1人もいない企業よりも、女性役員が活躍している企業のほうが概して企業パフォーマンスがよいことがわかりました。

ですから、女性の役員を積極的に登用していこうとする流れは、ただ単に女性のプレゼンスが増すから良いのではなく、女性のプレゼンスが増すことによって実際に企業利益が増すからこそ良いといえるのではないでしょうか。

日本の女性の企業活躍度は、ヨーロッパや北米の先進国だけではなく、アジアの新興国に対しても非常に後れを取っています。日本の企業には、「女性活躍推進」の流れにのって、どんどん女性を役員メンバーとして採用してほしいものです。

ハーモニーレジデンスでは、常時、社外取締役といった企業の役員としてのポジションをお探しの女性のご相談を受け付けております。是非本ウェブサイトのエントリーフォームから弊社へご登録くださいませ。

また経験・スキルともにある、女性役員をお探しの企業様も、是非弊社にお問い合わせくださいませ。

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女性役員割合の国際比較~日本では世界と比べてどのくらいの女性役員が活躍しているか~

2017/02/24 09:22

日本ではまだまだ女性の社会進出が進んでいない、女性が会社で活躍する場がない、ということはよく言われることです。他の先進国からは、日本の男女格差は非常に大きなままだと指摘を受けることも良くあります。

その中で、女性がどれだけ活躍できているか、また男女格差の程度はどのくらいか、などという議論でよく言及されるのが、女性の企業役員の数や割合です。

日本のキャリア女性のみなさんは、日本の女性役員の数や割合をご存知でしょうか。他の先進国と比べれば、当然低いだろうということは予測できても、実際にどのくらい低いのかということはご存じない方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事ではまず、どのくらいの女性が企業の役員(board members)として活躍しているのかを、日本と他国の実績を比較してご紹介したいと思います。

■女性役員が1人以上いる企業の割合(日本と他の先進国・地域)


GMI Ratingsのデータをもとに作成 (※2013年1月の米国のデータは無し)
http://www.fortefoundation.org/site/DocServer/GMIRatings_WOB_042013.pdf?docID=19201

上のグラフは、GMI Ratingsにて公表されている「女性役員が一人以上いる企業割合」のデータをもとに、日本と日本以外の先進国をピックアップして弊社が作成したものです。各国を比較できるだけではなく、国それぞれで2009年から2013年の間にどれだけそのような企業の割合が増えたかどうかも一目瞭然です。

左の三か国地域はアジアからなります。このグラフを見てわかるとおり、他のアジアの先進国・地域であるシンガポールと香港と比べても、日本の女性役員が一人以上いる企業割合は10%ほどで非常に少なく、2009年から2013年の数値の伸びも2%ほどに留まり、非常に小さいということがわかります。対して、シンガポールと香港の伸びはどちらも5%から10%で、2013年にはシンガポールの半分以上の企業が女性役員1人以上を達成しており、香港に至っては、60%の企業に女性役員が少なくとも1人いることがわかります。

ノルウェー、ドイツ、英国、米国の西欧先進国と比べると、日本の数値の低さは歴然としています。ノルウェーではほとんどの企業に女性役員が1人以上いるうえ、英国、またドイツの割合の伸びは、10%以上と、飛躍的といえます。米国の伸びは低いですが、それでも2009年から2013を通して、70%の企業に女性役員が1人以上いるということがわかります。

■女性役員が全体に占める割合(2004)


Catalystのデータをもとに作成
http://www.catalyst.org/knowledge/women-boards

そして、こちらのグラフはCatalyst(カタリスト)のデータをもとに、国をピックアップして作成し
 たグラフです。先ほどとは少し視点を変えて、役員全体に対する女性役員の割合を示しています。この数値が100%であれば、女性役員と男性役員の割合は同じ、ちょうど半々ということです。

残念ながら、日本はこのグラフでも、非常に残念な結果を残しています。1.1%ということは、男性役員100人に対して、1人しか女性役員がいないという状況です。ほかに1%代を記録しているのは、いわゆるムスリムの国である国のみです。東アジアの他の国、地域は、日本と比べればはるかに良い数字(それでも女性役員の割合が低いということに変わりはありませんが)を出しています。また、男女格差を議論する上で日本とよく比較される韓国でさえ、2%近いのがわかります。

■女性役員の数や割合がなぜ重要なのか?

では、女性役員の数は、実際にどのように企業のパフォーマンス、結果的に国の豊かさと関係しているのでしょうか。

次回の『キャリア女性白書』では、女性役員の数や割合そのものが問題というよりは、実際に企業の利益に関わってくるからこそ重要なのだ、ということを、研究データや数値を交えながら示していこうと思います。

次回もお楽しみに!

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「女性の社会進出が少子化につながる」のウソ ~女性の就業率と合計特殊出生率は相関する~

2017/02/01 06:34


少子化の原因というと、女性の社会進出が頻繁に取り上げられます。国会答弁でも、少子化の話題となると、必ずより多くの女性が働くようになったから子供が減っているのだ、というようなことが言われます。私自身も、中高の社会科の授業で、そのように習った思い出があります。

しかし、本当に女性の社会進出が少子化の原因になっているのでしょうか。実は、これを否定するデータは存在するのです。

内閣府男女共同参画局の資料にも掲載されている、OECD各国の女性の就業率と合計特殊出生率(その国の女性が一生に産む子供の数)の相関関係を表したグラフがその一つです。確かに、1970年には、女性の就業率が低い国ほど合計特殊出生率が高いことがわかります。つまり、働く女性が少なければ少ないほど、女性が一生のうちに子供を産む数が多いということです。

それが、1985年の結果では、女性の就業率と合計特殊出生率は相関がなくなります。女性の就業率に関係なく、どのOECD諸国も同じくらいの出生率を記録します。

しかし、面白いことに、2000年にはグラフは全く違った様相を見せます。この年代になると、女性の就業率が高ければ高いほど、合計特殊出生率が高くなるのです。例を挙げると(女性の就業率、合計特殊出生率)、アイスランド(約85%、約2.1人)、アメリカ(約70%、約2.1人)、日本(約60%、約1.3%)のようになります。つまり、働く女性が多いほど、女性が一生のうちに産む子供の数が増えるのです。

この変化が起こった原因として、本資料は、各国の女性就業率が上昇する一方、日本やイタリアといった国で出生率が下がり続け、北欧諸国等で出生率が上がったことが原因だとしています。

そして、この女性の就業率と合計特殊出生率の相関関係は、実は日本国内のデータでも証明されています。国土交通白書2015のデータによると、女性の就業率が高い都道府県ほど、合計特殊出生率が高いことがわかります。例えば(女性の就業率、合計特殊出生率)、東京(59.28%、1.09%)、福岡(1.43%、62.39%)、沖縄(1.90%、64.39%)です。

つまり、よく巷で叫ばれている「女性の社会進出が少子化の原因だ」や、「働く女性は子供を産まないので無責任だ」などという意見は、現在では証拠に欠く発言なのです。むしろ、働く女性が多い国、(日本の)都道府県ほど、女性が一生に産む子供の数が多いのですから、女性の社会進出=少子化 の図式は、上記のデータを全く反映していません。ミレニアム以降の現在、日本の少子化は別の事象が原因となっているので、少子化を食い止めようとするならば、その本当の少子化の原因を解決するべきではないでしょうか。そして、働く女性が多いほど出生率が高いのなら、少子化を持ち出して女性を家に留めるのではなく、女性が労働を希望するのなら、率先して外で働いてもらうべきなのではないでしょうか。

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