【私のキャリアの転機と決断】~銀行の窓口業務から内部監査へキャリアチェンジ~

◆中野 直美さん

大学をご卒業後、外資系大手金融機関へご入社後、窓口業務、預金業務を経て内部監査部でキャリアを築かれ、現在外資系証券会社のJapan内部監査ヘッドとしてご活躍中です。

インタビュアー:
ハーモニーレジデンス代表取締役
日月(たちもり)福井 真紀子

■ご自身のキャリアの中での1番の転機は何だったでしょうか?

新卒で入社した会社では、業務部に配属され、当初は窓口業務を行っていましたが、マタニティーリーブで復帰した際に配属された預金関連業務の部署で、内部監査部長に声をかけていただき、内部監査部に移ったことがこのキャリアを続けていく一番の転機になりました。

■そのあたりを深くお聞かせいただきたいのですが、窓口業務ということは総合職ではなかったのでしょうか。

総合職として入社しましたが、配属先は新入社員が人事部の方と面接をした結果、一番それぞれの適正に向いていると判断されたところに配属されました。外資系でしたので、大卒、短大卒関係なく、配属先も窓口、融資部、為替業務などすべてフラットな目線で配属されました。私の場合は総合職で入社しましたが、窓口業務に配属されたということです。そこで業務を5年間行い、その後マタニティーリーブを半年取り、業務部の預金関連業務に復帰しました。両親は共に近くにおりませんでしたので、保育園とベビーシッターの両方を利用して仕事を継続しました。

■育児との両立は大変なことだったと思いますが、仕事を復帰するにあたり、中野さんとしてはキャリアについて、どのような目標がありましたか?

専業主婦としてではなく、常に働きながら社会と繋がっていたいという思いがありましたので、なんとか家庭と両立はできないかと、夫や周囲の方たちとも相談をして、お互いに協力しながらキャリアを継続していこうと決めました。

■出産をしても家庭と両立をして、キャリアを継続するというしっかりとした目標があったのですね。マタニティーリーブ後に内部監査部長から声がかかったということですが、何かきっかけがあったのでしょうか?

自分は全く内部監査部に行きたいという思いはなかったのですが、窓口や預金業務での私の対応を見た内部監査部長が、内部監査に向いているのではないかということで声を掛けてくださいました。ただ単に窓口や預金業務をするのではなく、それに関連する外国為替関連法令の知識を身に付けるために勉強をしていましたので、内部監査部等からの質問があっても業務プロセスだけでなく、背景のバックグラウンドまで説明することができました。その様子を見ていた内部監査部長が内部監査の人員が足りなくなった時に、私が適材ではないかと考えてくださったようです。

■それは素晴らしいですね。今のお話はとても参考になります。日ごろから努力している人は誰かの目に留まるということですね。相当な努力をされたことと思います。具体的にはどのように勉強されたのでしょうか?

新入行員で入社した時から、銀行業務は法令遵守が大切だと認識していました。銀行法や当時の証券取引法などの基礎知識はありましたので、さらにその基礎知識を掘下げるために、その当時やっていた通信教育のテキストを常に復習したり、法令関連の書籍を買ったりして、知識を深める努力をしていました。

■他の窓口業務の方はそこまで掘り下げて取り組まない所、中野さんは常に大きな視野をもたれて、業務に取り組まれているからこそ、それらの知識が必要であったと考えられたのでしょうね。大変参考になります。次のステップですが、内部監査のキャリアをスタートされて、しばらくキャリアを積まれた後、セクションヘッドまでされたということですね。そのあと、同じグループ会社の証券会社へ転職をされていますね。この時の転機についてお聞かせください。

行内のコスト削減により、内部監査が縮小され人員削減が行われたのですが、最終的に私が最後まで内部監査部に残り、その後一人セクションヘッドとしてその部署をマネジメントしていました。それは東京支店としての内部監査だったのですが、アメリカ本部には別途本店直属の内部監査部があり、そこに移れるかどうかという転機が来ました。アメリカ本部の内部監査部のメンバーを探している時に、私も候補者として名前が挙がり、最終的に採用が決まり、本部の内部監査部に異動することになりました。本部に移ったことにより日本だけでなくアジアパシフィック全体の業務にかかわることが出来ました。

■その時、お子さんは何歳だったのですか。そしてその時期はどのように子育てと両立されたのでしょうか?

子供は7歳でした。まだ子供が保育園の時には、子供の具合が悪くなると、すぐ保育園から呼び出しがありました。直属の上司は女性でしたが、会社を早退しなければならないことなどで、迷惑をかけてしまったということもあり、急な事態にも対処できるように日ごろから仕事を先に先に進める努力をしていました。また、良いベビーシッターとの関係を築いていく努力をしました。そのおかげで子供が病気の時にも安心して預けることができました。ご両親がそばにいない方にとって、ベビーシッターとの関係はとても大事になってくると思います。

■本当にその通りですね。ベビーシッターとの関係は二人三脚だと思います。その当時、周りに同じような状況の女性があまりいなかったと思いますが、どのように乗り切られたのでしょうか?

同じ部署にはいませんでしたが、他部署には二人ほど、子育てと両立しながらキャリアを築いている女性の先輩がいましたので、アドバイスをもらったり、悩みを相談することができました。

■中野さんの常に前向きで、あきらめないでチャレンジングな姿勢はとても参考になります。このような姿勢の裏には、どんな思いがあったのでしょうか?

その当時は、新しいことに挑戦することに恐れを感じることなく臨んでいくことができました。普段慣れていることを続けていくのではなく、いろいろなことを学びたいという意欲がとても旺盛で、新しいことをどんどんチャレンジしていきたいという思いがとても強かったです。そのための努力は苦労だと思わずに挑んでいけました。

■中野さんは小さいころからそのようなご性格だったのでしょうか?

小さいころから男の子と一緒に外で遊んでいましたし、スポーツも積極的にやっていました。枠にとらわれることなく、新たなことに挑戦することは好きだったように思います。

■チャレンジャーでいらっしゃったのですね。だから、どんどん前を切り開いてキャリアアップされたのですね。そうは言っても、長いキャリアの中で様々な方々がいて、いろいろな困難もあって前に進むことができなかったこともあったと推測します。そのような時は、どのように自分の気持ちを切り替えてバランスを図ったのでしょうか。

やはりいろいろな苦労はありました。ほかの部署の方々との関係や、直属の上司と仕事をしていく中で、自分が苦しい思いをしたり、打ちひしがれてどうやって前に進んでいけばよいのか悩んだことは多々ありました。その時に、どうやってプレッシャーをマネージしていくのかがポイントになりましたが、一つは親友に話をして分かちあってもらうことでプレッシャーや不安な気持ちを緩和していました。もう一つは今も続けているスポーツですね。週一回テニスをしてモヤモヤを吹っ切ることができました。どうにもならない時もあるのですが、「なんとかなる」と自分に言い聞かせることができました。

■中野さんはずっとリーダーとしてのご経験も豊富でいらっしゃるのですが、最近の業務の中でマネジメントリーダーシップを発揮するうえで、難しいと思われることはどのような事でしょうか?

ずっと思っていることではありますが、様々な個性を持ったチームメンバーがいますので、チームメンバーを如何に動機付けして、彼らが働きやすい環境で、一番業績を上げてくれるような状況に持っていけるかということが、チームマネジメントをする上で、チャレンジングだと思っています。それぞれに思いがあるので、全員を100%満足させることは難しいのですが、内部監査部として業績を出さなければなりません。目標だけ掲げてもワークライフバランスの観点から問題も出てくると思うので、一致団結して目標に向かうにはどうしたらよいか、さまざまなミーティングでの対話を通して各個人の思いを吸収して、チームとしてのより良いアクションを起こすというところで試行錯誤しています。

■本当に難しいところだと思います。働き方改革、ワークライフバランスといった、20~30年前の働き方と違うことが求められ、成果を出さなければならないという立場でいらっしゃいますが、どのようにバランスをとっていこうと思われますか。

グループ全体の目標がありますので、その目標がリーズナブルな範囲であることを理解してもらうことが大事だと思います。年内にどのくらいの、品質を伴った内部監査を行わなければならないのか、その背景にある計画決定プロセスについて説明し、ワークライフバランスを考えた上で十分リーズナブルな予算に基づいて立てた計画であることを理解してもらうことが大事だと思います。

■中野さんがリーダーとして若い方をご覧になって、男性と女性では仕事に対する動機づけの違いがあるとお感じになられますか?

男性、女性というよりは、個人の仕事に対する考え方に対して動機づけをしています。大きく分けると、仕事に対して制限をしている方と、プロアクティブに「Can do」の考え方をしている人の2つのタイプの方がいると思います。仕事に制限を掛けている人をどうしたら「Can do」に変えていくかというマインドセットを変えるところに苦労しています。経験を積み、年齢を重ねた方の考え方を変えていくのは難しいこともありますが、職責に応じた期待を理解してもらうことが重要だと思います。仕事のやりがいを伝えることで「Can do」になってもらうよう、モチベーション付けを行うように努力していますが、なかなか難しいですね。

■リーダーとして、本当に難しい仕事ですね。最後に、今まさにキャリアを築いていこうとしている女性たちへアドバイスをよろしくお願いします。

3つのポイントがあるとかんがえています。1つ目は、自分がやっている仕事に対しての取り組み方です。ただ目の前の仕事をこなすのではなく、大きな視野で取り組むことが大事です。全体像を把握して、今の自分の仕事の位置づけを絶えず考えながら仕事に取り組むと、本当の実力がつくと思います。2つ目は、人脈がとても大切であるということです。私がここまでのキャリアを築くことができたのも、上司が自分を引っ張って行ってくれたおかげです。自分が新たなキャリアを拡大していく上でも大きな助けになりました。最後に、どんな立場になっても驕らず、周りに対する方々への感謝、メンバーに対しての感謝を忘れず、常に謙遜した態度をもって人と接することが大事だと思います。

素晴らしいアドバイスをどうもありがとうございました。たくさんの若い女性たちへ読んでいただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

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