【私のキャリアの転機と決断】~理系から金融業界へ、そしてさらに日系から外資系への転職~

◆津金 真理子さん

お茶の水女子大学理学部をご卒業後、英国の大学院をご卒業されました。日本のシステム関連企業を経て、金融業界へ転職、大手日系及び外資系の金融業界でキャリアを積まれ、現在は公益財団法人の理事としてご活躍中でいらっしゃいます。

インタビュアー:
ハーモニーレジデンス代表取締役
日月(たちもり)福井 真紀子

■ご自身のキャリアの中での1番の転機は何だったでしょうか?

大きな転機は2つあったように思います。まず1つ目は業界を変え、金融業界に入ったこと、2つ目は日系から外資系企業に転職したことです。私は大学、大学院で理系の専門分野を学び、その知識を活かしてシステム業界に就職しました。ある日、たまたま入った本屋で偶然手に取った理系向け就職雑誌で金融特集を掲載していました。後に理系の人たちが金融業界に転職するきっかけとなった雑誌でした。自分のような理系の人間でも金融業界で活躍できる場所があるのだと思えたのが最初です。記事のキャッチコピーが「NASAのロケットサイエンティストがウォール街へ」というとてもかっこ良いもので、そのキャッチコピーに惹かれたのを覚えています。NASAは私と同じ大学院の研究者達にとってトップランクの人気企業で、実際にNASAに就職した先輩達もいます。そこで働く人たちが金融業界に流れているのかと思うと心が動きました。また、当時金融業界が理系のシステムエンジニア向けに広告を出したのは画期的でした。

■その雑誌を見ても、理系のシステムエンジニアが全員が全員、金融業界へ転職しようとは思わない中、津金さんが心を動かされた一番の理由はなんでしょうか?金融業界に憧れがあったのでしょうか?

自分の専門分野が金融機関で活かすことができるということと、NASAのサイエンティストが新しい活躍の場を広げているという事実に心を動かされました。とりあえず、履歴書を送ったところ、反応が早く、いろいろお話を伺うことができました。お話を聞くと、本当に面白そうだと思えました。その当時は、金融業界で理系の人達が活躍できる分野は限定されていると思っていましたが、新しい活躍の場が広がっており積極的に理系の人材採用を考えているということでした。また、銀行の女性というと事務職のイメージが強かったのですが、ちょうど男女雇用機会均等法が始まった直後だったこともあり、女性の総合職で採用を考えていただけました。もともと、新しいことが好きな性格で、チャレンジ精神旺盛だと思います。

■津金さんのそのチャレンジ精神が積極的な行動に繋がったのですね。それでは、もう1つの大きな転機である、日系から外資系企業に移ったことについてお聞かせください。

日本の金融業界に就職して以来、上司や仲間、環境にも恵まれ、期待通りの仕事ができました。その頃はまだ男性総合職が多く、女性総合職が極めて限られている中、いいポジションも与えられ、現状にとても満足していました。しかしある日突然、ヘッドハンターから転職の話が舞い込んできました。その頃は転職など全く頭になかったので、一旦お断りしたのですが、再度連絡をいただき部門トップの方と一緒に食事をした時に「なぜ、うちの会社に来ないのか」とその会社に行かない理由を聞かれたのです。今の会社に不満がなく、行かない理由ではなくて、辞める理由が全くなかったのです。しかし、この時初めて「外資系」という新しい選択肢の存在に気付き、新たな世界を想像し、「グローバルに挑戦することは、自分を高めるチャンスになるのではないか」と考えるようになりました。初めて金融業界に入ったときは、直感ですんなり決断しましたが、この時はすでに日系で十年以上キャリアを積んでいたということもあり、選択肢に入れた後もかなり悩みました。しかし、せっかくいただいたチャンスを活かし新しい世界に挑戦したいと思いました。

■チャンスが巡ってきても、それをものにできるか、できないかは人それぞれだと思います。津金さんは順風満帆な状態からも「自分を高めるチャンス」をつかみ、決断しましたが、その決断する時の価値基準はどのようなものだったのですか?

世の中の流れをみた時の“直感”と、興味を持って取り組むことができて自分を高められるか、という考え方がやはり基準になったと思います。興味を持って取り組むことができなければ長続きしません。また、理路整然と理屈だてて何度も考えてはみるものの、将来はわかりませので、最後は直感です。

■世の中の流れをつかむために、なにか普段からされていることはありますか?

外資系企業への転職をきっかけに、仕事上必要だったこともあり、特に世界全体、世の中の流れに目を向けるようになったと思います。その当時は情報がない中で貴重な情報にいかに反応できるかが重要だったと思いますが、情報があふれている現代社会では、たくさんの情報の中で、“真に良い情報を見極める力”が大切なのではないかと思います。

異なる価値観が集結している外資系資企業での経験を通じ、幅広い視野を持ち、様々な価値観を受け入れ、真の情報の価値を見極める力が備わったように思いますが、今でもそうすべきと、心がけています。

■なにかを決断する時に、人それぞれ違う基準をもって決断すると思いますが、津金さんは、なによりも「自分が成長できるか」を大切にしていますね。

自分を高めるということは、いかにいい仕事ができる自分をつくり上げていくか、ということに繋がると思います。そう考えることによって、自然にいろいろな道が開けてくると思っています。自分を高めることでいいチャンスが巡ってきますし、逆に、自分を高めることは、いいチャンスが巡ってきたときのための準備にもなると思います。いい仕事ができる自分をつくり上げることは“自信”にもなりますし、さらにそれは一緒に仕事をしている仲間からの“信頼”にも繋がってきます。

■いい仕事ができる自分を作り上げるという一貫した姿勢で、津金さんは常に最前線で活躍されてきましたが、その長いキャリアの中で疲れてしまったり、モチベーションが下がってしまったりしたことはありませんでしたか?

土日はできるだけリフレッシュするようにしていました。趣味のテニスをする時間を大切にしています。時間が思うように取れず、休日出勤を余儀なくされる時もありましたが、1、2時間でも趣味に取り組む時間をつくり、その後に仕事をするようにしていました。

■では、これまでのキャリアの中で一番大変だった時はどんな時でしたか?

これも自分を高めるためということに繋がりますが、プラスアルファーで外部より原稿の執筆や講演の依頼があったときはなるべく受けるようにしていました。会社の仕事ではないので、完全にプラスアルファーで、体力的に大変でした。しかしそういった場での出会いも大切にしたいと思っていましたので、積極的に引き受けていました。

また、産休に入る部下の業務をみんなでカバーしていた時期も大変でした。産休というのは同じ女性としての悩みでもあったので、マネージャーであった自分が自ら文句を言ってはいけないと頑張りましたが、当時の仲間たちが快く協力してくれたのは大変助かりました。

■大変なお仕事に加え、エクストラワークもがんばる原動力とは何なのでしょうか?

単純にそういった仕事が好きだからというのもあると思います。自分を高められることに繋がりますし、そういった仕事は自分の仕事を別な角度から見つめ直すいい機会にもなります。

■津金さんは困難を乗り越え、さらにエクストラワークにもチャレンジされて、まさに後輩の女性達のロールモデル的存在だと思います。困難に直面しているキャリア女性の方々へ、困難を乗り越えるために、なにかアドバイスをお願いします。

様々な困難があると思いますが、やはり、困難に直面しても乗り越えられる自分をつくっておくことが大切ではないでしょうか。プロのスポーツ選手も練習を積むことが大切でそれが自信に繋がると言っています。自信をつけるためには日々の積み重ねです。“いい仕事ができる自分“であることで、自信になり信頼を得て、困難も乗り越えられるようになると思います。

■津金さんは「自分を高める」ということのために仕事も趣味も常に一生懸命取り組まれて成功されていらっしゃいますが、今の若い世代の中では、一生懸命になりきれないという方も多いと思います。そういった若い世代に向けてなにかアドバイスはありますか?

楽して成功する、といったうまい話は無いと思います!(笑)

キャリアアップのノウハウを学ぶ前に、まずはコツコツ自分を高めることが大前提になってくると思います。自分の努力は裏切らず、自分に戻ってきます。

■さきほど、趣味のテニスのお話をされていましたが、同じように、仕事以外でなにか精神力を高められるものはありますか?

スポーツに限らず、なにか没頭できるものがある人は、そこに向かう姿勢が、仕事に対する精神力にも繋がってくるのではないかと思います。また、将来役に立つような資格を取るために勉強することも、自信となりすごく大切だと思います。

■津金さんは困難な状況でもいつも強い精神力でいられるのはどうしてでしょうか?

強い精神力ではなく仕事とはそんなもんだ、という半分あきらめかもしれません。自分の面白いと思う仕事が少しでもあれば、それを糧に、困難な仕事を乗り切って頑張ろうと自分に仕向けます。楽な仕事や面白い仕事ばかりではないのが常ですので。

■スタッフレベルの仕事をしている時に、視野を広げたくても、自分のやっている仕事にしか目が向かなくなり、どうしても視野が狭まってしまう、という悩みを持った若者は多いと思います。そのような方たちにアドバイスをお願いします。

まずは自分に任された仕事をきちんと仕上げることが大切です。しかし次のステップとして、ただこなすだけではなく、たとえば「この数字はどこから来ているのだろう?」「この仕事はどこの部署がやっているのだろう?」といったように、疑問を持つことが大切です。そしてその湧いてくる疑問を上司や同僚に聞いたり自分で調べることで、日々の仕事を通じて視野を広げられると思います。別の仕事を任せてもらえるきっかになるかもしれません。ひとつの仕事を単に流すのではなく、常に好奇心を持つことで視野は広がります。

また、会社には組織の隙間に落ちてしまい行き場を失ってしまう仕事や、誰がやってもいい仕事がたくさんあります。そのような仕事を積極的に拾っていくことで(あるいは任せてもらえるよう信頼を得ることで)、視野を広げ自分自身を高めることができます。私も若い頃はお茶くみもやっていましたよ。お茶くみをしても自分自身の価値が下がるわけではありません。「どんな来客が何のために来ているのかしら」とか、何かしら得るものはあるものです。

■成功されている方は、津金さんのように好奇心の範囲がとても広いですね。以前と違って今は、女性にもチャンスがたくさんある時代です。目指そうと思えば管理職にもなれる時代です。最後に、このような時代でキャリアアップを目指す女性たちにメッセージをお願いします。

私が働き始めた時代は、まだ男女雇用機会均等法が制定されてなく、法的にも整備が不十分でした。そこから30年以上経っていますが、最近ようやく本格的に「女性の活躍」に焦点があてられるようになりました。私は正直、30年たっても状況はあまり変わっていない、と感じています。0から1にすることはとても大変なことだったと思いますが、そこからあまり進んでいないのです。しかしこの30年間を振り返ると、「失われた20年」を経験し、女性だけでなく男性にとっても厳しい時代でした。ですから、「女性の活躍」が再び提唱されている今が分岐点になっていると思います。そんな分岐点に立っている女性にはぜひ頑張っていただき、今までなだらかだった変化の傾きを変えて欲しいと思います。活躍したいと思っている女性の中には、男性よりも能力のある方がたくさんいます。ぜひ自信を持ってほしいです。そしてその自信を裏付けるのは日々の努力、ということに尽きると思います。

また、働く女性や管理職女性に対する意識は、以前と比較して変化してきています。しかし男性女性を問わず、今より一段と意識を高めて、性別という垣根をなくし、「ひとりの部下」「ひとりの上司」「ひとりの仲間」という意識を、皆が自然に持てる社会・職場になれば良いと思っています。

 

自分を高める努力を怠らない津金さんのお話は、きっと若い世代の女性達にとってすばらしいアドバイスだと思います。本日はありがとうございました。

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