【私のキャリアの転機と決断】~ローファームに入らずに、ビジネスの世界に飛び込むという選択~

◆石田 なつえさん

アメリカの大学、ロースクールをご卒業後、アメリカで大手会計・コンサルティング会社にご就職されました。その後、日本にて金融機関、ヘルスケア会社を経て、現在は外資系化粧品会社の法務部長としてご活躍中でいらっしゃいます。

インタビュアー:
ハーモニーレジデンス代表取締役
日月(たちもり)福井 真紀子

■今までのキャリア人生で一番大きな転機は何だったでしょうか?

今までのさまざまな転機の中で、はじめの頃のポジションチェンジが一番重要だったように思います。私は米国の大学・大学院のロースクールを出て、ニューヨークで弁護士資格を取り、直後に会計・コンサルティング企業に入社しました。当時弁護士資格を持ちながら法律事務所に行かない選択をする人はほとんどいなかったため、その時点で他の人とは違う道を歩んでいたと思います。

大学院時代にインターンでお世話になっていた税務当局の弁護士の方が企業に移り、新しい事業を立ち上げることになり、私をそのチームへ誘ってくださいました、が迷いはありました。弁護士資格を持ちながらローファームへ行かないということに対して、殆どの人がマイナスの意見でした。キャリアの幅が狭くなるという意見や、ロイヤーとしてのノウハウが身につかないなどの意見が多く、自分自身もとても悩みました。しかし、自分の上司になる予定の方々や、以前からインターンでお世話になっていた方々に相談する中で、「これから自分がロイヤーとしてキャリアを伸ばしていくという長いスパンで考えた時に、その判断は大きなマイナスにはならない」という決断に至りました。

これから生まれる新しい企業の組織形成に自分が携われるよろこびが大きかったということと、今までお世話になってきた信頼できる方々と仕事をすることが、自分にとって学びになると思ったことが決断の理由になりました。

■すごい決断をされたのですね。ロースクールを卒業して、ローオフィスに行くか、または幅広く学ぶことに重きを置いて、信頼できる方々と新しい事業に携わるか、ふたつを天秤にかけた時に、どちらを選ぶかは本当に重大な決断だったと思います。石田さんはこの時どのような価値基準を持って、その判断を下されたのですか?

直感的な部分が大きかったと思います。「自分はこの判断で大丈夫だ」と感じられる何かがありました。

■今まで直感を重視した成功経験があったからこそ、このような決断が出来たということでしょうか?

そうかもしれません。私は、元々周りの意見にとらわれず、自分の意志を貫いて行動する性格でした。それは学校の先生からするとマイナスと判断されるかもしれません。しかし、私の両親は、理由に基づいて自分が決めた方向に進むことに対しては、周りの反対があったとしても、後ろで見守っていてくれました。私はこのような恵まれた家庭環境があったからこそ、自分を信じて前に進むことができました。そのような行動をとり、成功体験が積まれ、何かを得ることができました。直感を重視し、決断することができたのは、このような経験の積み重ねによるものだと思います。

■子供の自立よりも常識を重んじるというのは、日本社会では珍しい、すばらしい教育方針だと思います。一方で石田さんのように行動したいと思っていても、一歩踏み出せない方もとても多いと思います。そういった方に、常識にとらわれないで最初の一歩を踏み出すためのアドバイスをお願いします。

私はとても好奇心が強いと思います。また、キャリアの中で何かが変わる、ということに対して抵抗を持ったことがありません。何かが変わるということは、必ず「それ以上に良くなる」「さらに面白いことができる」「なにか得ることができる」と考えています。何かが変わる、何かを変えるということを嫌ったり、怖いと思ったりする方も多いかもしれませんが、そのように変化を楽しむという発想に切り替えてみるのが大切だと思います。例えば、チームの誰かが退職すると、新しい人が配属されます。その新しい人が何かを生みだす力になってくれるかもしれないですし、これまで居てくれた人がいなくなったことで気付くことがあるかもしれません。これまでと違う何かが起こることや、これまで出来なかったことが出来るようになることを楽しみだと考えています。

■好奇心旺盛で、チャレンジを恐れない性格は素晴らしく、他のキャリア女性にも共通している部分です。一方で、時々はどうしてもマイナスな面を考えてしまうこともあると思いますが、その時にはどのように気持ちを切り替えているのでしょうか?

プライベートでも仕事でも、何か落ち込んだことがあったときは、それ以上に落ち込んだ時のことを思い出して、「落ち込んだこともあったけど、その時も乗り越えられたから大丈夫」と自分に言い聞かせます。辛いときも、乗り越えられた時の成長した自分や、その時に得られることを想像して、自分を励ましています。

■「その時も乗り越えられたから、今回も大丈夫」素晴らしい自分自身の励まし方ですね。もう少しお聞かせください。キャリアの中で何かを決断する際に、直感以外に他に重要視されたものはありましたか?

これから上司となりうる人や同僚になりうる人と話した時に、リスペクトできる部分があることや、この人たちから何かを得られる、学べるという確信を大切にしています。会社や仕事内容など、どんなことに対してでもいいので、好き・楽しい・面白いといったようなフィーリングは重要だと思います。会社の規模やポジションなど、一般的な基準ももちろん大切ですが、結局は心が動くかという本質的なところで決まると思います。私は、何か新しいことができる、何かが新しく動くといったことに心が動きます。

それは、ワークライフバランスのライフの部分を大切にすることに繋がると思っています。自分の家族・友達・趣味などを大切にしないと、仕事も楽しめないと思います。自分の大切なものを守るために仕事をするという意識を強く持っています。

■「リスペクト」「学べる」ということを重要視されているのですね。その「リスペクト」していた上司から学んだことをお聞かせください。

最初の決断のおかげで、大きな会社の中で、さまざまな分野の専門知識を得られました。移転価格税制のグループにいた時のある尊敬する上司に、「ビジネスセンスを持ちなさい」と言われたことがあります。移転価格という分野は、戦略的につくられた組織の構造を理解していないとできない分野であり、ビジネスセンスを養うには最適の場所でした。その後同じロイヤーの方だけでなく、エコノミストやアカウンティング、タックススペシャリスト、ITセキュリティなどさまざまな専門家の方とお仕事する機会があり、幅広いビジネスセンスを獲得するには大変良い環境でした。

■専門家だからこそビジネスセンスを持つことの重要性に早くから気づかれたのですね。石田さんの今後の夢やビジョンを教えてください。

方向性が2つあります。

1つは、自分も経営に関わっていけるようなポジションに就きたいということです。今までリーガルという観点からさまざまな事業に携わってきて、そこで培ったビジネスセンスを活用したいと考えています。自分の部署である法務部だけでなく、組織全体を見てよりよいものにしていきたいです。

もう1つは、自分が培ってきたノウハウを若い世代や女性の方々にも伝えていきたいということです。今、女性のリーダーシップやグローバルな人材のニーズは高まっているように感じるので、これからキャリアを積んでいく日本の若い世代に対して、自分の経験から何か伝えられることがあるのではないかと思っています。

■石田さんはいろいろな転機でとても上手にチャンスを掴んでいるように感じます。最後に、これからキャリアを築いていく方々に向けて、チャンスの掴み方について、ご経験からアドバイスお願います。

高校生の時に読んだ「Zen And The Art of Motorcycle Maintenance」という本の中に、とても自分が共感したフレーズがあります。“The truth knocks on the door and you say, ‘Go away, I’m looking for the truth,’ and so it goes away.” これをOpportunityに置き替えても同じです。私は、これまでの転職でも、企業や、ポジションについて、とてもオープンなスタンスでいられるように心がけています。面白そうだし関心があれば、まずはお話を伺うようにしています。最初から自分をリミットすることが好きではありません。リミットしてしまうと、もしかしたら自分に合うものであっても、チャンスを掴むことが出来なくなります。チャンスをチャンスだと思わなければ、逃してしまいます。

■チャンスに対する素晴らしい見方ですね。石田さんの考え方を表しているもう1つのエピソード、「I’m fine」についてもお聞かせください。

どんなに困難な状況が積み重なっても、それはそれと考えて、positiveな面にフォーカスするよう心がけています。そして結論は、「I’m fine」で締めるようにしています。ある時、あまりにも多くの困難があって、「○○や○○や○○が大変だけど、それ以外は、I’m fine」とニコニコしながら言ったら、米国の友人にとても驚かれたことがあります(笑)

変化をポジティブにとらえ、常に「I’m fine」と笑顔を忘れない石田さんならではの、すばらしいアドバイスですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

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