【私のキャリアの転機と決断】~プロフェッショナルな人たちとの出会い~

◆高橋 真実さん

薬系大学を卒業後、外資系製薬会社にMRとしてご入社されたのち営業、マーケテイング部門で部長職を歴任、外資系会社の日本法人にて事業部を運営されました。その間、MBAやPhDを取得されており、現在は東京大学大学院で特任助教として新規事業のグローバルナーシングリサーチセンター設立のためにご尽力されていらっしゃいます。

インタビュアー:
ハーモニーレジデンス代表取締役
日月(たちもり)福井 真紀子

■今までのキャリア人生で一番の大きな転機は何だったでしょうか?

仕事に対する取り組み方を学んだことが今の私のキャリアに繋がっていると思います。元々の自身の考え方であるとか、人との出会いを通じて頂いた言葉や、遭遇した出来事、全てが色々な形で影響していると思います。特に、社会人となり、プロフェッショナルとして真剣に働く方々姿を見た時には、非常に心を打たれました。製薬会社のMRをしていた時に、医師から「土日は休みでいいよね」と言われたことがあります。担当直後で信頼関係も全くないところに、製品説明をし、適応の患者様への紹介を依頼したときに頂いた言葉でした。当時、企業は土日休みでしたが、多くの病院は土曜日にも外来がありました。勤務時間以外でも、緊急メッセージを受けた時に、プロとしての顔に切り替わる医療者の姿を見て、非常に心を打たれました。このような経験から、プロフェッショナルである医療者と仕事をするのであれば、自分もそれに見合うよう、同等、それ以上のレベルにならなければならないという想いが生まれました。メーカーとしては直接的に医療行為に携わることはできませんが、間接的に貢献できる方法をさぐり、それ以来、直接顧客の彼らが働く時は自分も一緒に働くという姿勢に変えました。その行動と仕事に対する真剣さが医師たちにも伝わり、自社品のシェアゼロから対象疾患への標準品として長くご愛顧いただけるようになりました。

■高橋さんには、もともと働く前から自らが大切にしている仕事に対する考え方や取り組みの姿勢があるとのことですが、それはどのような考え方ですか。

入社当時は、医療業界は男性社会でした。外資系でしたので男女平等と言われていましたが、現実的には「ガラスの天井」があったように思います。その頃から少しずつ世間では、女性ならではの視点を活かした働き方もあるのではと言われはじめましたが、私自身はもともと男性だから、女性だからという考え方が好きではなく「1人の人間として」という捉え方をしていました。しかし現実的には、男女が存在し、色々なところで区別、比較されます。従い、男性の職場であれば、私は男性のやり方でトップを目指したいと思っていました。そのためには従来の3倍~5倍努力する必要があったのかもしれませんが、2年目あたりから常時トップの成績を収めるようになりました。きっと追い込まれた状況もあったかと思います。女性MRの入社条件として薬剤師であることが必要でしたが、入社1年目のときは薬剤師の資格がありませんでしたので、周りから認めてもらうために、実力で示さねばと思っていました。

また、自身が努力したことについてPRすべきではないと幼少の頃より思っています。努力とは、あくまでプロセスであり結果ではありません。成果を創造することが大事だと思っています。水面下でどんなにもがいていても表では美しく優雅に見える白鳥が一種のお手本のような観念がありました。そして、結果が出る前に諦めてしまうのは失敗かもしれないですが、結果が出るまでやり通せば、それは失敗ではなく「成功までの道筋」になると思っています。

■後輩の女性たちへプロフェッショナルな働き方を目指すならば、どのようなことを大切にしていけばよいでしょうか。アドバイスをお願いします。

最初は漠然でも良いので、自分の目標を持つことだと思います。5年後、10年後にこうなりたいという長めの目標を持ち、その目標のために計画を立てることが大切と思います。人間は平等ですが、同じ環境下ではありません。生まれた環境も違い、進学する大学も違います。就職先でも希望した会社に就職し、希望する部署に配属されるかどうかもわかりません。しかし、その今ある事実を受け入れて楽しむことが重要ではないでしょうか。回り道かもしれませんが、いい経験になると思います。どんな仕事も本当にやりたいことの準備として、身につけなければいけない周辺の武器であると思います。現実的に、自分の希望が叶うことは少ないと思いますので、無い物ねだりをしたり、くじけたりするのではなく、今後の自身に必要なものだから今経験しているという考え方で、楽しむことができればと思います。

また、個の成長だけではなく、チーム全体の成功にも目を向けるようになると、それが、個の更なる成長に役立つと思います。私が外資系の会社へ就職したのは、自分自身がしっかりやるべきことをやっていれば他人に影響されることなく評価してもらえるはずと思ったからですが、実際には、目標額は毎年増加し部署単位割り振られたものが個人レベルに落ちてきました。そのうちに、どんなにスーパーな個人でも永続的に対前年比200%、300%を続けることは不可能、でも全員で毎年対前年比110%、120%は可能なのではと考えるようになり、成功例、良いと思うことは、何でもシェアすることにしました。一朝一夕にはいきませんでしたが、仲間全員がやる気を出して、組織として成果を出さなければ継続的な成功はないということを身をもって学びました。共通の認識、共通の目標、Win-Winの関係を構築していくことが大切だと思います。

■苦しいときに、愚痴を言わず、状況を受け入れて楽しむには強い精神力が必要だと思いますが、普段どのように気持ちの切り替えをされているのでしょうか?

愚痴を言っても何の解決にもなりませんし、状況の言い訳をするのは自身の指導力のなさを露呈していることだと思います。特別な指示を必要としない人もいますが、そうではない人を育て伸ばしていくのが管理職の役割だと思います。

■愚痴を言わない、他人のせいにしないという姿勢はいつ頃からでしょうか。

そうですね。中学の時に、親友に受験に対しての不安な気持ちを漏らしたのですが、「真実ちゃんが駄目だったらみんな駄目なんだよ。それはイヤミでしかないよ」と親友から言われました。学年トップの成績だったので、実際、その通りだったのだと思います。素直に気持ちを出すと、傷つく人もいるし、面白くないと思う人もいる。心を許した相手であっても気持ちをそのまま口に出すことは良くないこともあると学びました。また、仕事において抱えている悩みは、同じ立場、役割を経験した人でないと中身の理解は難しく、解決策を得られることは少ないと思います。勿論、苦しんでいること、助けたいとの気持ちは十二分に頂けると思いますが、相談をされた方もどのようにアドバイスをしたらよいかわからないと思いますので、その方をも困らせてしまうと思うからです。

■仕事を楽しむというプラスの気持ちに切り替えるコツはありますか。

楽しいとは定義の問題だと思います。ゲームで言うと、最初のステージから、徐々に難しいステージをクリアしていくプロセスが楽しいと私は感じます。例えばステージ5をクリアできるようになった頃に、またステージ1から始めることになった時の状況は、手技としては簡単ですが楽しさを感じないと思います。仕事も似たようなものだと言えます。少し苦しくても達成することができて、それを振り返っていろいろ思える瞬間に、仕事の楽しさが実感できます。ですので、少し負荷がないと人間は楽しくないのではと思います。スポーツも同じですよね。だから人は記録に挑戦していくのだと思います。

■高橋さんがおっしゃる通り、本当の幸福感は、大変なことをクリアしていくプロセスの中で、感じるものですね。最後に、女性だからこそ直面している壁を乗り越えるためのアドバイスをお願いします。

今、国策として女性登用推進されていますので、いろんなキャリアの機会は増えてくるとおもいます。そこには、目指す職へのチャンスも含まれていると思います。見えない壁はあると思いますが、男性でも女性でも、自然体でいることが大事ではないでしょうか。認めてもらえないのは、受け入れられていない状況だと思いますので、友達になるにはどうしたらよいか、同僚が顧客だったらどうするのかを考えるのも1つだと思います。周りから身内だと思ってもらえたら、理解してもらえる確率はあがると思います。また、対立している状況だと、自分では意識していなくても身構えてしまいがちです。その状態は、空気のように伝染し、悪循環となりますので、あまり意識しすぎないことも大切ではないでしょうか。女性のキャリアに関して、よく身近に目標となるロールモデルがいない、見つからないとの話を耳にしますが、そのような時は、「誰もいなければ自身がそのロールモデルとなって切り開けばいい」のではと思います。また、理想の先人がいなくても、諸先輩のこの部分、あの部分といった、いいところを選択して参考にされることをお勧めいたします。

 

たくさんいいお話をお聞かせいただきましてありがとうございます。困難にぶつかっている女性たちへ素晴らしいアドバイスだと思います。どうもありがとうございました。

 

※尚、このインタビューは、2016年12月に行ったものであり、記事の内容は取材当時のものです。

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