日本で一番学歴が高いのは、日本人ではない


1年半前、人々の国際移動・移民とジェンダーに関する授業の一環で、国立社会保障・人口問題研究所(IPSS)という、日本の人口動態等を研究している機関を訪ね、研究者の方のプレゼンテーションを聞く機会がありました。

たくさんの興味深い情報があふれていたのですが、その中で最も驚いたのは、「日本国内で一番学歴が高いのは、日本国籍保持者ではない」ということです。

みなさん、どの国の方が最も学歴が高いか、予想が付きますでしょうか。ちなみに、このデータには短期滞在者は含まれていません。永住者などの、長期滞在者に限られています。日本人よりも日本で学歴がいいのは、アメリカ人?イギリス人?いいえ、そのどちらでもありません。答えは中国人、つまり、中国籍保持者の方々の学歴が、日本で最も高いのです。

実際には、超高学歴中国人はたくさん存在する

この驚きというのは、日本人の多くが『中国人』に抱いているイメージから生じるものだと思います。日本で働いている中国人といって、一般的に思いつくのは、コンビニ店員をしているような、いわゆる単純労働者かもしれません。人かもしれません。

しかし、このステレオタイプな中国人のイメージとは異なり、実際には、超優秀で日本の日系企業、外資系企業でバリバリ働く中国籍保持者もたくさんいます。彼らは、母国語の中国語、人によっては広東語や上海語、日本語、英語の最低3か国語を操って、男女問わず、バリバリキャリアを築きます。

そして、彼らの子供たちも、一般的にものすごく高い教育を受けています。日本で育った超高学歴中国人の子供たちの、最も得意な言語は、日本語です。日本文化をよく理解し、ファッションも日本のファッション、見た目はもちろん日本人と見分けがつきません。日本名を使っている人も多くいます。また、日本語に加えて、中国語も話します。

私は私立の中高一貫の女子校に通っていましたが、一学年270名ほどのうち、5人は中国籍の生徒がいたと思います。そして、彼女たちの多くは、六年間、ずっと成績上位でした。

日本のアジアに対するイメージの問題点

残念ながら、日本には、まだ他の東アジア・東南アジア諸国やその国々出身の人々に対して、上から目線になってしまう傾向があります。日本よりもGDPが低く、貧しく、学歴もない、かわいそうな人たちというイメージを、無意識的に抱いている方はまだたくさんいるのではないでしょうか。

アジアの移民研究は欧米圏で盛んに行われているのですが、その中で、明治以降、日本と日本人が作り上げてきた、アジアの他の地域に対するイメージは、“Asian other”という言葉で表されることがあります。“other”が表すのは、自分たちとは「違う」、自分たちのハイテクな文化には属していない人たちの集合体、という感じでしょうか。そのような考えを、日本人の多くは共有しています。

でも、現実は違います。日本の中で、中国籍保持者の学歴が一番高い、という事実が表すように、「日本以外のアジア諸国=貧困、遅れている」といった単純な図式は、既に崩れています。人財にフォーカスすると、その傾向は顕著です。国のGDPが低くても、グローバルマーケットの価値が高い他アジア諸国の人財はたくさんいます。日本はその事実にあまり意識を向けられていませんが、その間に、残念ながら、日本人のグローバルマーケットでの価値は、急落しています。

本当の意味での「グローバル化」、「ダイバーシティ」実現の重要性

私は、国籍など関係なく、様々な人々が、差別など合わず、豊かな暮らしをしていければいいと思っています。日本人の欧米諸国以外の国々に対する無関心さや今までの態度が、後々になって日本を苦しめるのではないかと危惧しています。

なのに、例えば、日本の企業・団体のダイバーシティ―経営や、グローバル化への対応は、乗り遅れています。外国人の登用などする前に、日本人女性の登用すら達成されていません。

女性はもちろん、世界の隅々まで視野を広げて、急速に転換をして、日本がアジアを含んだ世界に置いて行かれないようにしなければいけませんね。

熊谷 ひかり

無料転職サポートお申し込み

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

カテゴリー:ブログ|

▲pagetop

このページの先頭へ