配偶者控除と「働き方改革」

■「103万の壁」から「150万の壁」へ

自民党税制調査会は11月23日に、当初は配偶者控除を廃止の方向で検討していたところ、年収を150万に引き上げて存続することで調整をすすめる方針を決めました。夫の年収にも制限を設け、控除を受ける夫の年収が「1120万円超」の世帯は対象とはならない方向で調整します。配偶者控除は、完全にパートをしている主婦層の税制控除となり、女性の活躍推進には直接には繋がらない対策です。これまで、パートで家計を支えていた主婦は、「103万円の壁」のため、103万を超過しないように調整をしながら働いていました。この壁が「150万」になるという見直しです。結局は壁はそのまま残り、現状と変わらないという見方が出ています。

女性の活躍推進とは、「ガラスの天井」を打ち破り、職場における男女平等を実現することにあります。もっぱら女性の能力開発を妨げ、企業における上級管理職への昇進や意思決定の場への登用を阻害する要因を打開する対策が急がれるなか、今回の配偶者控除の見直しは、長時間労働の非正規社員やパートを増やすだけの対策になるのではないでしょうか。

 

■女性の活躍推進に必要なもの

女性の活躍には減税対策で改革を期待できるものではなく、社会構造そのものの見直しが必要です。長時間労働は女性の働く意欲を失わせる一つの問題ですが、これまでの日本の年功序列制度や終身雇用制度が長時間労働を許容してきたといっても過言ではありません。成果をださなくても、会社に勤務している年数が長ければ、それなりに昇進が可能になる年功序列は、今のグローバル化社会では勝ち残っていけない制度となってしまいました。

成果主義が導入されれば、家庭との両立を目指している女性が勤務時間を気にすること無く、仕事の成果により正当に評価され、キャリアアップが可能になるのです。正当な成果の評価こそが、長時間労働の改革に直結することだと思います。

パート勤務の女性を増やすことは、働き方改革とは程遠いものです。パート社員を増やすことは企業にとってメリットになるのでしょうか。男性でパートを選ぶ人はほとんどいない中、女性はパート、男性は正社員という男女格差を広げることになってしまうことが懸念されます。女性の社会進出は、女性も職業を持ち、誰にも頼らず自立することです。

今回の配偶者控除の見直しも、男性が中心で進められている現状に、日本の社会はまだまだ男性社会であると認めざるをえません。

 

渡邊 奈保子

 

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