女性の社会進出を阻むもの【パタハラ】

■パタハラとは

「パタハラ」とは、パタニティー・ハラスメントの略。パタニティー(Paternity)は英語で“父性”を意味し、男性が育児参加を通じて自らの父性を発揮する権利や機会を、職場の上司や同僚などが侵害する言動におよぶことを、パタニティー・ハラスメントと呼びます。女性社員の妊娠・出産が業務に支障をきたすとして退職を促すなどの嫌がらせをすることを指すマタハラ(マタニティー・ハラスメント)に対して、パタハラは男性社員が育児休業をとったり、育児支援目的の短時間勤務やフレックス勤務を活用したりすることへの妨害、ハラスメント行為を指します。

 

■父の育休、職場の壁

2019年1月には改正育児休業法が施行されます。男性の育休取得の対象範囲も広がっており、労使協定による専業主婦(夫)除外規定が廃止され、妻が専業主婦の場合や、育休中であっても、夫は育休を取れるようになりました。加えて各企業においても、仕事と育児の両立支援に資する制度の整備、拡充が進んでいます。

意欲もあり、制度も整いつつあるにもかかわらず、厚生労働省が発表した2015年度の雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率はわずか2.65%です。男性の取得率を20年度までに13%に引き上げるとする政府目標には遠く及ばず、低水準にとどまっているのが現状です。その背景には「バタハラ」問題を生む旧態依然とした企業風土があり、職場の理解が得られないことが原因にあります。「男性が育休をとると出世にひびく」「子どもの面倒は妻が見るのが当たり前」といった先入観や偏見から、上司が部下の育休取得を認めないといった行為が多くの職場にまん延している現状があるのです。

女性が受ける「マタハラ」も問題ですが、女性より男性のほうが育休を取得することに対して不快に思う人の割合が高く、まさに「男の敵は男」であり、そうした目に見えない企業文化、すなわち組織で働く人々が囚われている固定観念の壁こそが、男性の育児参加を阻む最大の障害です。

一部にはその厚い壁を打ち破り、パタハラが生じるような職場環境を改めようと、思い切った対策を打ち出す企業も現れていますが、進んでいるとはいえない現状です。

 

そもそも育休を取得する、しないは、単純に良し悪しの問題ではなく、夫婦の選択ではないでしょうか。今の日本は、選択肢が限られていて、実質、男性の育休取得がきわめて困難です。期間の長短は脇に置くとしても、労働者個人の選択肢として、男女を問わず「育休取得」は当然にあってしかるべきではないでしょうか。

 

渡邊 奈保子

 

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